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雨瀬シオリ『ここは今から倫理です。』感想

★★★★☆

あらかじめ断っておくとこの作品は現在進行形で続いてるため、完結している作品が好みの人にはオススメできない。
ただ、1話完結形式であるため、物語が完結しているかどうかはそこまで関係ないかもとは思う。
舞台は現実の高校。だからもちろん特殊能力とかはなし。そこで倫理の教師を務める男性が主人公。
魅力的なキャラクターという要素は漫画の存続に関わる一大問題であるがため、最も活躍の場が多い主人公が魅力的であることは人気漫画には不可欠な要素とも言える。
この作品はそういう意味ではかなり攻めていて、主人公は常にやるせないような表情だ。常に何かに困ったかのように眉が下がっている。
アンニュイな雰囲気であったり、何か悩みや闇を抱えてそうな人が僕は大好きなのだが、僕みたいな人は多分に少数派だろう。この主人公への好き嫌いの評価もハッキリ別れるんだろうし、好きになる人はどちらかと言えば少ないのかも。(作品自体も暗い色が多く使われていてセリフも多い。主題は倫理なわけだし少なくとも万人受けではない)


僕の周りで哲学(倫理)に触れた人は軒並み生きづらそうにしているのだが、本作の主人公にも同じような心象を持っている。それは彼の表情からも十二分に伺える。
ただ、そういう生きづらさを抱え、常に何かを悩んだり考えている人の言動・行動には無意識に重みを感じてしまう。その人がその言動・行動に至ったプロセスに想いを馳せるのは楽しい。
また、倫理自体も勉強になるというか。各話のラストは主人公が哲学者の言葉を引用して括られる。ラストだけでなく、普通の授業風景も覗けたりするので、なんとなく学生気分に戻って倫理の授業が楽しめるのはこの作品ならでは。

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