落合陽一『日本再興戦略』感想

★★★★☆

本屋で平積みされてるのを長い期間見てて、前々から読みたいなぁと思ってたらプライムリーディングに出てた、ラッキー。

ビジネス系とか自己啓発系はあまり好きじゃないけど、ミーハーだから多くの人が目を通したものはやっぱり気になってしまう。

そんでワクワクしながら読み始めたら数分で頭が大爆発を起こした。目次を横に置いてないと本文を読んでいる時に『これなんの話?』ってなってしまう。

できる限り平易な日本語を心がけるって宣言していたけど文脈が難解。つまりが全然つまってなかったり。もし仮に本作が映画で映画館で見てるとしたら『これみんなホントに理解できてんの?』と周りをキョロキョロ見渡してしまっていただろう。

(おまけに技術用語やビジネス用語が大量に出てくるから注釈はあるといえどもある程度前提知識がないと読むのが相当ストレスかかるかも。例えばオープンソースとかB2Bと聞いてなんのこっちゃってなるレベルだとイライラして読めないと思う)

途中までは何が言いたいのか本当に分からなかった。『日本は転換期だ』『日本は変わらなければならない』とタイトル通りに主張していたけれども、肝心のどう変わるかが全く出てこない。

それもそのはずで、まず、『変わるべき国である日本というのはこういう国でこういう要素を持ってて、こういう歴史を辿りこういう文化が形成され、その文化の中で国民はこういう民族性や価値観を持つ』という社会の授業から始まるのでした。

それを踏まえていればこんな目には遭わなかった……。

というわけで、最初こそ面食らったもののそれが分かってからは面白かった。

特に面白いなと思った意見とか考えとか事実とかは箇条書きで。

  • 今の若者は士農工商の商を画一的に目指してるけど、商は価値を生み出さないよね
  • マスメディアに価値観インストールされて自分の首絞めてるの気づいた方がいいよね
  • 最近の翻訳技術凄いし、誤訳になるのは大体話し手の文法理解の問題だよね
  • 公平に厳しい民族性のおかげで4Gの普及率世界2位なれたね。4Gでは画像とか動画とか2次元情報の伝達で頭打ちだったけど、5Gでは3次元空間も共有できるよね。そんでもって来春の5G普及は世界に先んじてるし夢があるよね
  • 人口減少と高齢化は日本っていう国にとっては良いことだよね

何が面白かったってもちろん知らないことを知れたりだとか、落合さんの想像力をもって描かれる近い未来の様だとかはもちろんそう。

でもそれ以上に面白かったのが煽りだ。多分本人は全く煽っているつもりないだろうけど、人によっては怒りそうなことや言い方を平気でやっている。

僕自身もこれをよくやってて、何度も怒られてきたからその面での嗅覚は少しだけ冴えてる。彼の言葉の節には時々強い毒があって(繰り返しになるけど本人に悪気は多分全くない)、僕にとってはそれがたまらなく面白かった。口が避けるかと思うくらいニンマリしてしまう箇所がいくつもある。

とまぁ、そんなこんなで最初こそ面食らったものの、後半から一気に再興戦略が書かれている。

個人レベルで取り組めるようなタメになる話もあれば、スケールの大きい国単位の話まで。

年齢でなくメンタル的に若い人には爽快感があるかもしれないけど、老けた人には受け入れ難いようなことも書いてあるかも。

昔又聞きしたことだからソースの精度低いけど、『脳の仕組み的に歳をとるほど新しいもの/革新的なものは受け入れがたくなってしまう』そうな。

そういう本でした。

落合さんが個人向けに言っていたこと

一応国単位で物事が語られる本だから、

国なんかどうでもいいよ!俺は俺の生活を良くしたいんだ!

という方向けに落合さんからの個人宛のメッセージ等まとめてみた。

記憶に残ってる範囲だからもっと重要そうに書かれたこともあったかもしれないけど、少なくとも僕の記憶には残ってないから僕にとっては重要でない。

  1. バランス型でなく特化型になりなさい
  2. キャリアマネジメントしなさい
  3. モチベーションを大事にして行動しなさい

ちなみにバランス型とか特化型、キャリアマネジメントと聞いて、なんのこっちゃとなる人は『キャリアのVSOP』について調べてみるといいかも。

20代はいろいろ体験しよう=バラエティが大事=V
30代は専門分野を決めて深掘りしよう=スペシャリティが大事=S
40代は自分でなくちゃできない仕事をしよう=オリジナリティが大事=O
50代は個人の人格と信頼で仕事をしよう=パーソナリティが大事=P

https://chikirin.hatenablog.com/entry/20120414

下記のけんすうさんの記事なんかは分かりやすい。

https://kensuu.com/n/n27d563562bbe

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