盛田隆二『夜の果てまで』感想/ズブズブ不倫の話

★★★★☆

読み始めたのが18時。気づいたら夜中1時前だった。

長く暇つぶしするべくなるべく厚めであることを唯一の条件として本屋を徘徊していたら、たまたま見つけた。最近読んだなにかの小説をキッカケに佐藤正午を思い出したのだが、本作の解説も彼であったのが決め手だった。

主人公は優秀な大学生で、人並みに酒やタバコや女などにも手を出すものの、性格を見た感じ真っ当に生きてきたはず。そんな彼がひょんなことをきっかけに人妻とズブズブになって駆け落ちするというなかなか重めの物語。優秀という点はさておき、僕も主人公と同じくらいの頃に似たような経験をしたことがあったから、主人公に自己投影して考えてしまうようなことがいくつもあった。

そういう意味では広くオススメ出来るわけではないかもしれない。偏った評価軸だと思う。ただまぁ、記事は自分用のメモでもあるのでという言い訳を。

ジャンルとしては恋愛モノ。ただ、当然のことながら、駆け落ちした時点で日銭が必要になってくるから仕事論や人生論なんかもセリフや行動に含まれてくる。
そういう時に、頼れる先輩的な、世界の真理を悟ったかのようなキャラクターが出てくることは少なくないけど、本作も例に漏れない。大抵の場合、そういう人は魅力的に描かれていて、彼もまた魅力的だった。

彼のセリフにはこんなものがある。

生きていれば人は何度でも人生の岐路に立ちます。そのたびに自分の意志で進むべき道を選ぶことが出来る。でもほとんどの人がその権利を放棄しています。どうしてなんでしょうね、だいたいぼんやりしていて、自分が岐路に立っていることさえ気づかない。選ぶことを怖がっているんです、無意識のうちに。人生、一度しかありません。世間体や他人の思惑にゆだねて生きていくなんて、そっちのほうがもったいない話です。

彼が自身を肯定するためのような、あるいはポジショントークのセリフだった。青臭いし、使い古されたような言い回しだけど、でも弱っている時にこそこういうセリフは染みてしまう。あとはやっぱり『何を言うか』じゃなくて『誰が言うか』なんだなぁとかすごく単純な自分に軽く引いたり。
すごく緻密に描かれていて、裏を返せば冗長とも言えて、でもそんな無駄すら楽しく思える小説だった。

あと、これはもう完全に別の話だけど、作中にて中学一年生の数学の問題として出てくる覆面算(穴あき算?のアルファベットver)が結構面白くてなんだかんだ30分くらいページをめくらずにどっぷりハマってしまった(未だに解いてる)ので興味ある人は挑戦してみてください。

ちなみに僕がそうやってウンウン唸ってページも進めずに得たものがこちら。

  • 使われる数字はKYOTSAの6種類
  • 一の位から、A=0
  • 十の位の計算には繰り上がりの数字なし
  • 百の位で、O+Aの和の一の位がOでなくKであり、かつ、Y!=0であることから、T+K>=11 && Y != 8 && Y!=9
  • 万の位から、K+O<=9万の位から、K!=9 && O!=9万の位から、K>=1 && T >=3  && T > K
  • T+K>=11から、Tは大きめの数字

そもそもまだ正解にたどり着けていないのでこれがヒントなのかも分からない。けど多分ここまでは合っているはず。

あとはそれぞれのアルファベットに入る確率のある数字をヒントと共に箇条書きしておく。

  • A……0(確定)
  • O……1.2.3.4.5.6.7.8(Kとの和が9以下)
  • K……1.2.3.4.5.6.7.8(Oとの和が9以下)
  • T……3.4.5.6.7.8.9(KとOの和)
  • Y……1.2.3.4.5.6.7(TとKの和の一の位)
  • S……1.2.3.4.5.6.7.8.9

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